過度のストレスに晒されると、思考、感情、意欲といったこころの調和が乱れた状態となります。この乱れは精神の働きに故障を来し、行動面での異常ひいては実生活に支障をきたすことへとつながります。

ストレス社会といえる現代において、こころ病気への関心・理解がますます重要になってきました。

 

心療内科の役割

病気の中には、心身症のように身体的な症状を示しながら心理的な要因が深くからんでいるものがあります。そもそも病気にかかれば何かしらの不安は出てきますし、過度の不安に悩まされ続けていては病気に罹りやすくなります。

このように、病気は心身両方の影響を受けており、そのため心や身体、それを取り巻く社会を分け隔てなく考えて治療をおこなおうとする医学分野を心身医学とよんでいます。

心療内科はこの心身医学に基づいて内科的治療をおこなっている診療科です。体に不調があらわれるほどストレスに苦しめられている人を助けてくれる場所なのです。

精神疾患(こころの症状)を主体とする精神科とことなり、心療内科では身体症状(からだの症状)が患者の主な訴えとなります。そのため心療内科は精神科というよりは内科の一分野と捉えるほうが適切かもしれません。

誤解されがちですが、精神科と心療内科とは別物なのです。しかし、近年では「精神科」という名前が持つイメージを嫌って、精神科であるにもかかわらず「心療内科」という看板を掲げているところも少なくありません。

これも心療内科が混同される一因です。よく間違われやすい心療内科と精神科と神経内科の違いを簡単に説明すると、心療内科はストレスによる体の病気、精神科は心の病気、神経内科は神経の病気を専門としています。

 

内科的な症状について

心配事やストレスと身体に発症する症状は、別物と切り離して考えてしまうことが多いと思います。 しかし、たいしたことがないと思う心配事やストレスが原因で、大きなダメージを身体が受けることはよくあることなのです。 では、心が原因となり現れてくる内科的な症状には、どのような病気があるのでしょうか?

消化器系の病気としては、良く知られているのが胃潰瘍や十二指腸潰瘍です。また、過敏性腸症候群や腸腫瘍などもあります。 循環器系では、狭心症や心筋梗塞なども、場合によっては心が原因となることがあります。

皮膚系では、円形脱毛症や多汗症などがよく知られている症状です。 また場合によりますが、増加傾向にあるアトピー性皮膚炎も心が原因となることがあります。

呼吸器系では気管支ぜんそくや過換気症候群、内分泌代謝系では過食症や拒食症、神経性食欲不振症などが知られています。 泌尿器系では夜尿症や過敏性膀胱、その他にも更年期障害や月経前緊張症、口腔乾燥症などもあります。

ただ、これらの症状は心以外の原因と言うこともあります。安易に自己判断をしないようにしましょう。 もし、思い当たるようなことがあるのなら、内科よりも先に心療内科を受診してみることを考えてみては如何でしょう。

心と身体を繋げて考えた場合、心療内科への受診と言う発想も必要かも知れません。